【概略】
製品・情報デザインの応用課程としてこれまで学習してきた技術や知識をベースに、ユーザー生活快適性と健康の増進を目的とした、プロダクト+グラフィックデザイン提案手法を学習ぶため、健康にまつわる製品に対し、人間工学の身体的側面、環境的側面に配慮し、デザインコンセプトの立案から、プロトタイピングによる視覚化、デザイン評価までのサイクルを実践し、デザイン提案力の向上を図る。
【テーマ】
快適な着座姿勢を考えたビーズクッションのプロダクト+グラフィックデザイン提案​​​​​
生活者視点による人に優しい製品の開発​​​​​​​
【龍野コルク工業株式会社 工場見学】
発泡プラスチックス製品の開発・製造・販売を行っている龍野コルク工業株式会社の工場見学を行った。会社の商品であるビーズクッションの製造過程を学び、試供品を頂いて実際に使用したデザイン分析を記録した。
【調査・分析】
市場製品をリサーチし、既存製品について競合製品のデザインを調べ、そこからユーザーの利用状況について情報を入手し、誰がどういった目的・環境でクッションを利用して、どのような価値を得ているのかを分析していった。
【主役ペルソナの作成】
人間工学的な視点でデザインを考える上で、人と製品との身体的な面での適合性で、特に重要な項目として次のことを挙げた。​​​​​​​
身体的側面
◯良い姿勢、ユーザーにとって楽な姿勢・バランス
身体とのフィット性、心地よく触れるための要素、肌触り
環境的側面
◯使用環境との適合性、公共空間、住宅空間、インドア、アウトドア
これらの項目と、分析した情報を元に主役ペルソナを設定した。
【アイデアとプロトタイプ】
ペルソナのニーズから、「体育座りをするときお尻が痛い」→「体育座りに負担がかからない」といったコンセプトを設計。また、体育座りをする場所である体育館での使用を見込み、その状況から学校をはじめとした組織的な購入を想定。「安価」、「コンパクト」、「普遍的なグラフィック」、「大量生産」を可能とし、さらにお尻への負担を軽減するビーズクッションのアイデアを出すことに決定。
私は、梱包材の「軽量である」ことに着目し、丸めたり小さくまとめたりし、様々な形を試作し、写真のような形状のビーズクッションをデザインした。
【発表・感想】
龍野コルク工業株式会社からも講評を受け、「体育館での使用を想定した際に、災害等での避難生活を余儀なくする場合にも応用できる商品である」とコメントをいただいた。私の考えていた使用シーン以外にもまだまだ可能性があるプロダクトであるため、実用化を検討したブラッシュアップの製作も検討してみたい。
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